「クラウドキッチンとは?」
「ゴーストレストランとクラウドキッチンって何が違うの?」
「クラウドキッチンのメリット・デメリットは何?」
結論から言いますと、
・クラウドキッチンとは、主にデリバリーに特化したレストラン用の設備、及び主にデリバリーに特化したレストランのこと
・ゴーストレストランとクラウドキッチンはほとんど同じ意味
・クラウドキッチンは、初期費用が安く、準備期間が短く開業することができ、人件費を下げるメリットがありますが、プラットフォームへ支払う手数料が高いというデメリットがあります。
今回の記事を書くために国内だけでなく海外の文献も色々と調べました。
またクラウドキッチンを企画・運営している経験も踏まえて、皆様にクラウドキッチンについて正確な情報をお伝えしようと思います。
このページでは、クラウドキッチンをきちんと理解するために次の4点を解説します。
すべて読めば、クラウドキッチンをよく理解することで、あなたが求める飲食業がクラウドキッチンに適しているかをあなた自身がより深く理解することができます。
1.クラウドキッチンとは何か?
「クラウドキッチン」とは主にデリバリー用の料理を作るために設計された施設をいいます。 店内に飲食スペースがなく、主にデリバリーで食事が提供され、ユーザーは実際の店舗を見ることはありません。この点がGmailやGoogleドライブのようなクラウドサービスに似ていることから「クラウドキッチン」と名前が付けられました。
1.1.クラウドキッチンの特徴
クラウドキッチンは、店内に食事をするスペースがありません。 クラウドキッチンでは、区画が分けられており、専用の調理スペースと保管スペースが割り当てられています。 なお、1つの厨房を、複数のシェフが時間別に使う、といったスタイルの「シェアキッチン」も、クラウドキッチンと呼ばれることがあります。 また、クラウドキッチンは、既存のレストランと同じく、業務用の厨房設備を備えています。 そして、厨房設備はデリバリー等に適した配置となっているため、大量のデリバリー注文を素早く処理できるようになっています。
1.2.クラウドキッチンの別名
クラウドキッチンは、別名で、ゴーストレストラン、仮想キッチン(バーチャルキッチン)、ダークキッチン(主にイギリスで用いられます)などといったネーミングで呼ばれることもあります。 いずれも同じような意味です。
1.3.複数ブランド
クラウドキッチンでは、一つのレストランが、複数のブランドを展開することができます。
例えば、そば屋の多くはカツ丼を提供していますが、お店の看板は「そば屋○○」として営業しています。
しかし、クラウドキッチンでは、「そば屋○○」だけでなく、「カツ丼専門店○○」というブランドも同時に営業することができます。
クラウドキッチンは、デリバリープラットフォーム上で主たる営業活動を行うことから、ブランドと店舗との結びつきが弱いためです。
2.クラウドキッチンのメリット
2.1.初期費用が安い
クラウドキッチンでは、初期費用を100万円~150万円程度に抑えることができます。 既存飲食店の開業に1000万円以上必要であることと比べると、10分の1程度でレストランを始めることができます。
2.2.準備期間が短い
クラウドキッチンでは、飲食業に必要な設備が揃っているため、すぐに飲食業許可を申請することができ、飲食業を始めることができます。
ただし、注意点として、各デリバリープラットフォームの登録審査には時間がかかる、ということです。
しかし、UberEATSなどのデリバリープラットフォームへの登録は、1ヶ月程度待たされることもあります。
クラウドキッチンだからといってすぐに売り上げが立つと言うものではありません。
一部のクラウドキッチンは、デリバリープラットフォームと協力関係を築いており、優先的に審査を受けることができます。
また、テイクアウトなどの他の販売方法の併用をすることが有効です。
ただし、一般的なクラウドキッチンではデリバリーに特化し過ぎた弊害から、テイクアウト需要がまったくない所に立地しているケースがあります。
2.3.人件費が下がる
クラウドキッチンでは、フロア業務がないため人件費を削減できます。 既存飲食店では、席案内、注文取り、配膳、片付け、会計、食器洗い、といったフロア業務を行う必要があります。 一般に厨房とフロアの人員の比率は、厨房1人に対してフロアが2人が適切とされています。 クラウドキッチンでは、フロア業務の人件費を削減できますので、通常の飲食業と比較して大きなコストメリットとなります。
3.クラウドキッチンのデメリット
3.1.プラットフォームに支払う手数料が高い
プラットフォームに支払う手数料は、売上の35%程度となり、非常に高額です。 ただし、店舗価格にデリバリー手数料を上乗せした価格設定をするのが通常となっています。 お店に行かなくてもいいという時間節約と利便性がありますので、このメリットは価格に転嫁することができます。 また、プラットフォームが集客をしてくれますので、そのマーケティングコストの一部と考えることもできます。 したがって、プライシングを上手に行うことが条件ですが、プラットフォームに支払う手数料は大きなデメリットではありません。
3.2.営業データが一部しか開示されない
プラットフォームは、レストラン側に顧客データを開示しません。
したがって、性別、年齢、職業といった顧客属性が性格にはわからないため、マーケットニーズを細かく分析することが難しくなります。
しかし、ユーザーの名前から性別や国籍を予測することができますし、配達員さんと仲良くすることで色々な情報を得ることができます。
4.最後に
クラウドキッチンについて、その定義とメリット・デメリットを説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
クラウドキッチンは、初期費用が安く、また素早く始めることができ、人件費が下がるため、多くのシェフがレストランオーナーになることができます。
シェフという職業は、世界で最もクリエイティブな職業です。 レストランを始めようとするとき、クラウドキッチンは一つの有力な選択肢です。
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